ルールのある競技なら「天才になれる⁉」ポルガー家の子育て術

子育て

ハンガリーの心理学者ラースロー・ポルガー氏による「どんな子供でも天才にすることができる」という理論を実際に自身の子供たち3人をチェスの天才に育て上げることで、みずからの理論を証明するという実験をおこなったのである。

ポルガーがどんなチェスの天才に子供を育て上げたのか説明するまえに、チェスの評価について簡単に説明したい。

チェスで最高位の称号「グランドマスター」というものがあるが、この称号を手にしたのは全チェス選手の0.02%しかいない。

まさにグランドマスターはチェスの天才、名人というくらい凄いものです。

他にも、チェスの実力を表す「レーティング」というものもあり、レーティング2500を一度でも超えないとグランドマスターへの道がないと言われています。

ちなみにレーティング2200に到達すると、チェス連盟からナショナル・マスターに認定されます。

では、ポルガー家の3姉妹スーザン、ソフィア、ユディットがどんな成績を収めたのか簡単に紹介してみよう。

ポルガーの「天才を育てる方法」の結果どうなった

スーザン
  • 4歳で女子チャンピオンシップ11歳以下で優勝
  • 15歳で世界トップクラスのレーティングに到達
  • 21歳で女性初グランドマスター獲得
ソフィア
  • 14歳でグランドマスターたちに勝利し、世界最高勝率9ポイント中8.5ポイントで優勝
  • 最高パフォーマンスレート2879を記録する
  • 最高レーティング2505で世界女性ランキング6位
  • ウーマングランドマスター獲得
ユディット
  • 5歳で大人を負かしていた、しかも目隠しで
  • 15歳4か月でグランドマスター獲得し、最年少記録を破る
  • 最高レーティング2735で世界ランキング8位
  • 史上最強の女性チェスプレイヤーとなる

まさしくチェスの天才3姉妹を育て上げることに成功したばかりか、チェス界に伝説を残すという結果になりました。

ラースロー・ポルガーは、どんな教育をして3姉妹をチェスの天才に育てたのか見てみましょう。

ポルガーの「天才を育てる理論」とは

ラースロー・ポルガーは1960年代に「天才を育てよう!(未邦訳)」という本を書いた。

そこには「どんな子供でも天才にすることができる」と理論だけ書いたのだが、当時は独身で子供もいなかった。

そこでポルガーは、自身の理論を確認するため結婚相手を探すのだが、説によると雑誌に広告を掲載し、結婚相手を探したというのだ。

そこに返答したのが、ウクライナに住むハンガリー語を話す外国語教師クララ・アルトバーガーだった。

その後、ポルガーは手紙で「一緒に天才を育てる方法」について詳細にやり取りしたあと、ソ連で結婚し、ブダペストに移り住んだ。

そして3人の女の子「スーザン、ソフィア、ユディット」を授かった。

ここで気になるのは「どんな子供でも天才にすることができる」というポルガーの理論である。

ポルガーの天才を育てる理論とは

ラースロー・ポルガーは、大学で人間の知性の発達について研究していたとき、天才について興味を持つようになった。

約400人の伝記を調べたあと、モーツァルトのような才能は遺伝子ではなく、幼い頃から始めた系統的な研究の結果であるという結論に達した。

結論から言うと、ほとんどの健康的な子供は神童になることができ、そのためには3歳までに専門分野を決めて動き出す必要があるという。

たしかに、3歳までにバイオリンなど触れておくと専用の脳回路が出来上がるような話は聞いたことがあるので有効だと思う。

ここで、はっきりさせておきたいのは、ポルガーは子供たちにチェスをやることを強要したのではないこと、姉妹自身も「自信を持ってチェスを選んだ、チェスの駒はお気に入りのおもちゃだった」と言っています。

ここがポルガーと毒親の違いでしょうか?毒親は正直に言ってクソですからねwすみません

ポルガーの子供たちは5歳になる前にはチェスの勉強を開始していて、1日8時間から10時間はプレイしていた。

午前中の3時間は卓球やランニングなどのスポーツをおこない、就寝する22時までチェスをやるという生活をつづけたのだとか。

3歳までに数学と外国語を教え、学校には通わず自宅で勉強し、試験を受けるとき以外は学校に行かなかったという。

また、ポルガーは強制やしつけというものを信じず、子供たちの誠実な熱意を維持することが重要だと言っています。

勝利する喜びは、敗北の失望よりも大きくなくてはいけない。

勝ちたいという願望は、損失の恐れよりも強くなくてはいけない。

これには効果があり、子供たちはチェスにやりがいを感じ、敗北しても何度でも立ち上がり、敗北の恐れよりも勝ちたいという願望の方が強かったと言っています。

ポルガーの睡眠時間は1日4時間ほどで、チェスを教えるにあたり、プロのゲーム解説をダンボールに書いて手作りし、その数は全部で20万点もの資料を作ったのだとか。

ここまで書いてみての感想は、普通の家庭ではないことは確か、そして誰にでも真似できることではないと思ったが、学べることはあった。

生まれながらの天才はいない「1万時間の法則」

スウェーデンの心理学者K・アンダース・エリクソン氏の「1万時間の法則」では、どんなスキルでも習得するのに1万時間の着実な練習が必要であるという。

この理論の一部はチェスの習得の研究に基づいていて、生まれながらにしてチェスの達人は存在しないことを発見した。

グランドマスターになるには、多くの時間を練習にあてる必要があり、子供のころからチェスの始めている人が多い。

19世紀では、17歳でチェスを始めてもグランドマスターになることが可能だった。

だが、20世紀生まれのプレーヤーに、14歳を過ぎてチェスを始めグランドマスターになった者はいないという。

つまり、チェスのグランドマスターや他のスキルの習得でも、早い時期から始めて、多くの時間練習する必要があるという理論です。

本当にどんなスキルでも1万時間の練習で報われるのか?気になるところですね

ポルガー家の天才を育てる方法は「ルールの決まったものに有効か?」

ラースロー・ポルガーは、たしかに3人の姉妹をチェスの天才に育て上げることに成功した。

そして、k・アンダース・エリクソンの「1万時間の法則」もチェスに関しては、たしかに早く始めた人の方が有利で、多くの時間を練習した方がいいだろう。

ここで思ったのはチェスは「変わることのないルール」に則って勝負する。

ビジネス、科学者、画家などは、決まったルールがないか、時間とともに変化する中で挑戦していかなくてはならない。

この違いは大きいだろうと思いました。

チェスの場合は、変わらないルールの中で勉強すればいいが桁違いの努力が必要

ビジネスの場合は、時代の変化についていかなければ取り残され、クリエイティブな発想が必要で、誰が成功するのかわからない時代になってきている

いずれにしても、ポルガー家の天才を育てる方法や1万時間の法則は、ルールの決まった競技などに特に有効だと思うので、早い時期から子供が「興味や好奇心を持っているもの」について教えてあげてもいいんじゃないかなと思います。

僕は我が子が何かの天才になってほしいわけじゃないが、子どもが上達を願うなら、どんなことでも全力で付き合ってあげたいと思います。

参考文献

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