マインドセットを変える科学的に実証された10の方法

マインドセットを変えるビジネス・心理学

スタンフォード大学の心理学教授キャロル・ドゥエック氏は、マインドセットの第一人者で20年以上もの研究からマインドセットの重大さを科学的に実証しました。

成功者や成し遂げる者・極める人・勉強・仕事・スポーツ・恋愛・人間関係など人生に関わる多くの分野で成長(しなやか)マインドセットを持っていた方が良いと数々の研究からわかっています。

マインドセットを変えるにはどうしたらいいのか?キャロル・ドゥエック著書「マインドセット やればできる!の研究」とコロンビア大学の研究より紹介したいと思います。

自分のマインドセットを知る方法

マインドセットとは、考え方・物事の捉え方・性格・信念や価値観などを表し、簡単に説明すると「考え方の癖・心の在り方」をマインドセットという。

2種類のマインドセットが存在し、誰もがどちらかの、あるいは両方のマインドセットを持ち合わせています。

硬直マインドセット=fixedマインドセット」と「しなやかマインドセット=growthマインドセット」の2種類があり、コロンビア大学の研究では「証明マインドセット(硬直)」と「成長マインドセット(しなやか)」と紹介されています。

それぞれのマインドセットの特徴をあげるので、多く当てはまる方が自分のマインドセットになります。

証明マインドセット(硬直・こちこち)の特徴
  • 自分の能力は固定的(fixed)で変わることがないと信じている
  • 人に自分の有能さ・能力を示したい/認められたい
  • 人に「すごい」などと言われたい/証明したい
  • 無意識に自分と他人をいつも比べてしまう
  • 人に助けを求めることに抵抗を感じる
  • うまくいかないと「自分には向いてなかった」と考えがち
  • ミスや負けることがいつも怖い
  • 自分がうまくできることしかやりたくない
  • 困難な状況になると不安でしかない
  • 困難な状況になると諦める/困難だと分かると最初から挑戦しない
成長マインドセット(しなやか)の特徴
  • 自分の能力は努力しだいで伸ばす(growth)ことができると信じている
  • 自分の能力を高めたい/向上させたいと思っている
  • 新しいことでも学びたい
  • 自分はこうなりたいと考える
  • 他人と比べるのではなく過去の自分と比べる
  • やると決めたらやる
  • 困難な状況になっても諦めずに続ける
  • 失敗や困難があっても当然だと思える
  • 難しいと感じると力を発揮できるときがある

マインドセットは、考える物事・対象が変われば、別のマインドセットの考え方を持っていることもあります。

この2つのマインドセットのうちどちらのマインドセットを持つべきなのかというと「成長マインドセット」が重要で20年以上もの研究から証明されています。

成長マインドセットに変える10の方法

マインドセットの第一人者であるスタンフォード大学の心理学教授でもあるキャロル・S・ドゥエック氏は、20年以上もマインドセットについて研究し、マインドセットには2種類の考え方があることを見つけました。

このマインドセットの発見により、仕事や勉強・成長・成功・問題解決など様々なことに影響することが科学的に実証され、どんなに小さなことでもマインドセットを変えれば多大な効果をもたらすことが分かりました。

いわゆる成功者と呼ばれる人や何かを極める人・やり抜く人・達成する人・恋愛がうまくいく人・良い先生などは成長マインドセットを持っている可能性が極めて高く、成長マインドセットを持つことができれば様々な道が開けることがわかっています。

成長マインドセットに変えるためにキャロル・ドゥエック著書「マインドセット『やればできる!』の研究」とコロンビア大学の研究「やる気が上がる8つのスイッチ」から紹介したいと思います。

1.マインドセットは変えられることを知る

まず、事実としてマインドセットは変えられるが簡単には変わらず難しいことです。ですがマインドセットを変えることは可能です。

マインドセットは考え方の癖なので、長年の癖を変えることは簡単ではないですが、成長を意識して取り組み続けることで、考え方の癖を「証明・固定」ではなく「成長」にすることができるのです。

マインドセットを変える第一歩として「自分の成長のために学ぼう」と思うことが何よりも大事です。

証明マインドセットは、自分の能力・評価は一生変わらないと思っているため、ここを外さない限り成長に目を向けることができません。

思い込みは非常に強力で「こういう人は○○ができない・苦手」などのレッテル・一般通念(ステレオタイプ)というものもそのひとつで、気づかないうちに心の中に住み着くという。

実験で「こういう人は○○が苦手」など一般的に知られているステレオタイプ(レッテルなど)を喚起されるように性別のチェック欄をテスト用紙に書いてもらうだけで、思い込みが呼び起され成績が下がることがわかり、ステレオタイプが喚起されないテスト、性別のチェック欄がないテストでは成績に影響が出ないことが実験から分かりました。

そして、ステレオタイプが喚起されてしまう人は、証明マインドセットを持っている人だけで、成長マインドセットの人は影響されず、証明マインドセットの人だけ思い込みの影響を受ける結果になりました。

こういった事実を知っていくことだけでも思い込みは解除しやすくなるので、成長マインドセットに近づくことができます。

2.能力は学ぶことで伸ばすことができることに気づく

能力は学ぶことでどんどん伸ばせることに気づくことが重要です。そして、才能と呼ばれるものも学ぶ努力から来ています。

脳はいくつになっても学習することができ、頭を良くしていけるのです。よく自分はもう歳だから覚えれないと思い込んでいる人がいますが違います。もしそうなら、新しく出た商品やサービスの使い方が分からない、昨日の出来事が分からないなど日常生活が困難になりかねません。

私たちは生まれたときから多くのことを学んできたことを思い出してみてください。

・言葉が分からないなりに喋り、聴き、話せるようになった
・初めて見るもの、触るもの、食べ物、音、匂いが何なのか学習した
・立っては転んでを繰り返し歩くことを学んだ

みんな最初は分からないことだらけの状況から学び成長してきました。そのことを思い返してみましょう。

そして、いつ学ぶことをやめてしまうのかというと、原因が証明マインドセットにあるのです。

マインドセットの実験から明らかに学習や成績に違いがあることが証明されています。

テストで悪い点を取ってしまったとき、成長マインドセットの人は失敗したところの復習や次のテストに向けて勉強を頑張ろうとするが、証明マインドセットの人はその逆の考えでもうダメだと落ち込む・努力したって時間の無駄だと考える・自分よりも出来の悪い人を探して安心する・自尊心を満たすことを考える・ある者は不正行為を考える者もいた。

そもそもマインドセットで目的とすること・どうしたら成功なのか?ここが違います。

・証明マインドセット:今持っている自分の能力を証明できたら成功
・成長マインドセット:学び成長することができたら成功

目的とする成功が違うため失敗や困難に直面した場合、証明マインドセットの人は、もうダメだと思う・感情的になる・ごまかそうとするのに対し、成長マインドセットの人は、失敗や困難を受け入れそこから学び、成長することに意識を向けるので、明らかに能力差が広がります。

そして一度ダメだと思った分野・嫌いになった分野・他人から思い込みを植え付けられた分野などは、その分野を見ると脳の中では恐怖記憶の中枢が活性化する。そこはヘビやクモなどの苦手なものを見たときに働く場所と同じ場所なのだ。

つまり、その分野を学習するための脳の活動が減少するので、学ぶことが少なくなって当然の結果と言える。思い込みに気づけるかどうかが重要だと言えます。

成長マインドセットの人ってナルシストっぽいの?と思う人もいるかもしれませんが、ナルシストや自己中になってしまうのは、残念ながら証明マインドセット×獲得フォーカスの持ち主です。

詳しくはこちらの記事で解説と診断もできます。

才能というものも証明マインドセットの人から見ると、その人は最初から才能を持っていたと思い込んでしまいます。

実験で絵がうまく描けない自分には絵の才能がないと思っている人を集め、絵描きのレッスンを受けてもらったところ、全員が劇的に絵がうまく描けるようになりました。

バスケットボール選手のマイケル・ジョーダンも最初はコーチから「お前にはバスケの才能がない」と見捨てられましたが、努力することを諦めず続けたことにより最高の選手へとなることができました。

脳科学からもいくつになっても学び続けることができると証明されています。努力すれば自分の望む成果が得られるとは予言できませんが、ひとつ言えることは「脳は学ぶことで成長し続ける」ということです。

3.確実に脳は学ぶことで成長していく

脳の神経回路ニューロン

私たちの脳はまだまだ解明されていないことの方が多いですが、脳は学ぶことで神経回路が新たに形成され、そして強化され、今までなかった神経回路が新たに結びつき、能力が高まっていくと証明されている、これを「脳の可塑性」という。

脳の可塑性が分かったのはごく最近20年ほど前で、それまでは生まれつき脳は変わらないという学者や成人以降は成長がストップすると考える学者がいたが、研究結果から成人以降の人であっても脳は変化する、しかも昨日よりも今日の脳は成長した脳で常に変化し成長していることがわかった。

男女で脳が違うから○○が苦手や左脳・右脳タイプだから○○が苦手なども昔から続くウソで、理系・文系と分けてしまうのも思い込みが作動し能力の成長を妨げてしまうから注意が必要です。

医学界でも脳の可塑性が認められ、脳を半分失ったとしても残りの半分が機能を補い、新しい回路が成長し普段と変わりなく生活することができ、優秀な成績も取り大学で博士号を取得して学者になれた人もいます。

能力は学習するたびに成長し伸びていく、一生能力は変わらないということはないのだ。また、生まれつき能力を持っていたということもないと分かっている。

学習すると脳内で3つのことが起こり、成長することがわかっています。

1.新しい神経回路が形成される
2.学べば学ぶほど神経回路が強化される
3.繋がっていなかった回路同士が新しく繋がる

学んだことでそれに必要な神経回路が作られ、強化され、繋がりが深く成長する。そして、ちょっとギリギリ上をいく課題に取り組むこと・努力することが何よりも脳が成長する栄養になります。

一度の失敗や思い込みで学ぶことを諦めてしまうのはもったいなく、失敗や困難から学べることは脳にとって絶好のチャンスです。

4.成長マインドセットに変えてみるトレーニング

証明マインドセットになっていると感じたら、成長マインドセットの考え方に少しづつでいいので、変えてみる習慣をつけていくことが大切です。

以下のことをトレーニングとして取り入れてみてください。

1.証明マインドセットに陥ってしまったら、自分や他人を責めたり、嫌になったり、怒ったりしてしまったら、証明マインドセットのせいだと認めて成長マインドセットで考えてみること
失敗や困難から何かを学ぶたびに脳が良くなる・賢くなることをイメージする。

2.自分の価値や能力がもう決まっていると思ってしまったら、湧いてきた感情・自分の置かれている現状や立場(他人ではなく自分)をありのままに見つめ認めよう、そして自分の価値や能力がそれで決まってしまうわけではないことに気づいて「その体験から何を学んだか?もしくは何を学べるか?どうすれば成長に繋げることができるか?」こう考える習慣を身につけることで成長マインドセットにしていくことができる。

3.いつもやりたいと思ってるけど、うまくできる自信がなくて、やらずにいることはないですか?それを実行してみよう。

4.憧れの人物を想像し、その人は努力せずとも何でもできてしまう驚異的な能力の持ち主だとおもっていませんか?実際はどうなのか想像しよう。業績やここまでの道のりにはとてつもない努力があったことを知り、その人をよりいっそう素晴らしいと感じよう。

5.他人と自分を比べているとき、比べることをやめよう。比べるべきは今の自分と過去の自分で比べよう。他人と比べるのは能力や才能ではなく、その人のやり方や努力・困難でも挫けない・失敗から学んだことなどを比べるようにしよう。

6.どうせダメだと諦めてやめてしまうことがないか?そういうときは成長マインドセットの考えを持ってみよう。結果を気にするのではなく、ありのままを受け入れ、そこから学んで向上することに関心を向けよう。

7.自分が成長するチャンスは日々の暮らしの中にある。以下のことを紙に書いていつも見る鏡などに貼っておく

・今日は、どんな学習と成長のチャンスがあるだろうか?
見つけたら、それを実行する計画を立てるように問いかける

・いつ、どこで、どのように実行するか?
もし、障害に当たり失敗したら次の計画を立てるように問いかける

・失敗から学べることがあるか?いつ、どこで、どのように新たな計画を実行するか?
どんなに落ち込んでいても、行動に移すことが肝心

そして、うまくいったら次の自問を忘れないこと
・逆戻りせずに進歩を続けていくためには、どんなことをする必要があるか?

5.他人のマインドセットを変える場合

生徒や子ども・部下などのマインドセットを変える場合、褒め方に注意が必要です。

実験で能力や才能(頭が良いね・すごいね!など)を褒めると証明マインドセットになってしまうことが分かりました。さらに、能力や才能を褒めたグループは、困難や難問にぶつかると成績が下がってしまいました。

正しい褒め方はその人がしてきた努力や行動・過程を褒めることで成長マインドセットに繋げることができます。努力を褒めたグループは、困難や難問にぶつかっても成績が上がっていきました。

失敗したときも感情的になって怒ってしまう・ダメ、できない、変わらないなどネガティブなことを植え付けるようなしかり方も効果がない、むしろ逆効果になってしまう。

教える立場の人は「失敗や間違いにどんな価値があるのか」を教えてあげるようにすれば、生徒や子ども・部下は成長していく。

6.成長を意識した目標に変える

ここからはコロンビア大学の研究からマインドセットを変える方法を紹介したいと思います。


目標や自分がこうしたい・こうでありたいと考えることを「成長」に意識を向けるトレーニングです。

1.いつも自分がこうしたいと思っていることを書き出してください

2.その言葉を「成長」を意識したものに書き換える。
・学び、改善、発展、成長、前進、将来的になどの言葉を意識して言い換える

例えば「仕事を早く覚えたい」→「仕事を覚えて一人前になるために必要なことを学びたい」こんな感じに言い換える。

7.if-thenプランニングを決める

if-thenプランニングとは「こうなったらこれをする」とあらかじめ条件と実行内容を決めておくプランのことです。

if-thenプランニングをすることで、成功確率が2倍~3倍にも上がることが研究から証明されています。

if-thenプランニングのやり方

1.こうなったらの条件・状況を決める

2.その条件・状況で取るべき行動・実行内容を決める

例えば「証明マインドセットな考え方をしたら、成長を意識した言葉に言い換えてみる」と決めておくなどです。

決めたら忘れないようにメモを貼るなりしていつも見る場所に貼っておきましょう脳は習慣が大好きなので、習慣にしてしまえばもうあなたのものです

8.期待値を変える

能力があれば何でもすぐに上手くいくという考え方を捨てること

困難なことになっても、逃げたり手っ取り早く解決するのではなく、じっくり取り組むことが大切だと考えるようにする。

ミスをしてもそれでいい・評価はその一回で一生決まるわけじゃない、逆に一回で一生が決まってしまうならそんなに楽なことはない・脳が成長するチャンスだと思い、ときには人の手を借りる・助けを求めるようにすること。

9.他の人と比べない

他人と比べるのではなく、昨日の自分・先週の自分と比べるようにしましょう。

「他人と比べてしまったら、今の自分と過去の自分を比べる」とif-thenプランニングに取り入れてみてください。

10.根気よく続けること

ここまで紹介したマインドセットを変える10の方法を根気よく続けることが大切になります。

マインドセットは考え方の癖なので、簡単には変えられませんが根気よく成長マインドセットの考え方をしていけばそれが癖になります。

先ほどもあげましたが脳は習慣が大好きです。根気よく続けて習慣にしてしまえば、もうあなたのものです。

先ずは、諦めず続けるということを大切にしていきましょう。

マインドセットを変えるおすすめの本

マインドセットを変えるために読むべきおすすめの本を3冊紹介します。

1.マインドセット「やればできる!」の研究

キャロル・S・ドゥエック氏のこの本は、世界的ベストセラーであり、スタンフォード大学で20年以上の膨大な調査から生まれた「成功心理学」の名著と言われています。

この本を読めば、どれだけマインドセットが重要なのかわかります。

2.やる気が上がる8つのスイッチ コロンビア大学のモチベーションの科学

コロンビア大学の研究でやる気・モチベーションを上げるにはどうしたらいいのか研究し、3つの分類から8つのタイプに分けてそれぞれの改善方法を紹介してくれる内容になっています。

コロンビア大学の研究でもマインドセットが重要だと言っています。やる気・モチベーションを高めて何かをやり抜きたいと考えている人におすすめです。

3.「無敵」のマインドセット 心のブレーキを外せば「苦手」が「得意」に変わる

膨大な研究と実践をもとに、限界なき脳の成長を可能にする「無敵」のマインドセットの作り方を“6つのステップ”で脳科学の観点から教えてくれます。

ジョー・ボアラー氏は、英国BBC局が選ぶ「教育を変える8人」に選ばれています。

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