脳の実行機能とは、簡単にいうと精神活動の集積で「混乱や予測が難しい状況や情報に対処する能力」のことであるとハーバード大学・児童発達研究センター所長ジャック・ションコフ氏が言っています。
その実行機能を司る特定の機能が脳の前頭前皮質にあります。
前頭前皮質は、ストレスから最も強く影響を受ける部分で、ストレスの影響を受けると主に思考制御する能力が弱まり、感情を制御するといった自己コントロール能力が低下してしまう。
子供のころ受けた身体的・精神的ダメージが健康に影響を及ぼす
「子供時代の逆境(ACE)の研究」によると逆境、つまり暴力や性的虐待、身体的・感情的ネグレクト、両親の離婚や別居などの家庭的な問題を数値化したもの(ACE)が高いほど、大人になってからの健康面に影響を与えていたということがわかっています。
ACEの数値が高いほど、成人後も悪い行動を繰り返えす、慢性疾患などの調査項目のほぼすべてにおいて悪い結果になっていたという。
ACEが4以上の人は、ACEが0の人と比べて喫煙率は2倍、アルコール依存症は7倍、がん・心臓病は2倍だった。
さらに、ACEが6以上の人は、ACEが0の人と比べて自傷行為をした割合が30倍、ACEが5以上の男性は、46倍の割合で薬物を使用した経験があることがわかった。
心的外傷の研究者ナディーン・バーク・ハリスの研究では、児童が学校での学習や行動に問題のある子供をACEで比べると、ACEがゼロだった児童は3%しかいないのに対し、ACEが4点以上の児童では51%の児童が該当した。
2014年の全国規模の実験では、ACE(定義が異なる)が2点以上の児童では、ACEがゼロの児童と比べ問題行動を起こす可能性が8倍、留年する可能性が2倍だった。
このように子供時代の逆境(ACE)を経験した人たちは、成人してからも健康面で様々な悪影響を及ぼす可能性が高く、また児童に関しても学習や行動に問題を抱える可能性が高いことが示されています。
その理由として、子供の頃の虐待やネグレクトなどのストレスが体や脳にダメージを与えていることが考えられる。
以上の結果から、親として絶対に暴力や虐待、ネグレクトにならないように、怒ると叱るを区別してほしいと個人的に思っています。
そして、よく「褒めるのがいいのか?叱るのがいいのか?」みたいな議論があるが、ハッキリ言って叱るのは論外だと思っている。
叱って子供の記憶力を下げたうえで「こうしなさい」と教えるやり方は、何がしたいのかなーって思ってしまう。はい、すみませんw
でも実際には、ひどく感情的になると言葉や態度に出てしまうのもわかります。
ましてや日本はストレス社会ですし、その中で子育てをしていくのは精神的にも余裕がないのもわかります。
なので、やっぱり子育てをしていくうえでは親自身のメンタルケアがとても重要です。
ここでもメンタルケア、認知行動療法について紹介していきたいなと思う。
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