やる気について研究しているコロンビア大学からの情報を紹介するよ。
自分に適した「やる気の出し方」を見つけるには、自分のやる気タイプを知る必要があります。
人それぞれ考え方が違うように、やる気の出し方にもタイプがあり、何に対してやる気を出したいのか?勉強なのか仕事なのか、はたまた他人のやる気を出させたいのか?これらによってもやる気の出し方が変わってくることを理解する必要があります。
例えば、上司に「こんなことも出来ないのか!」と言われたら、やる気が出ない人がほとんどだと思います。しかし、子供に「お父さんこんなことも出来ないの」と言われたら、やる気になるお父さんがいるはずです。
同じ「出来ない」でも状況や精神状態などによって、やる気が出たり出なかったりするわけで、要するに自分が「どう物事を受け取るのか」によってもやる気が変わってくるのです。
やる気は自分の中から出てくるものなので、自分がどんなやる気タイプの人間なのか知る方法を紹介していきます。
やる気の出し方を見つける8つのタイプ診断
やる気のタイプは、大きく分けると8つのタイプがあるとコロンビア大学の研究によって分かっています。
やる気のタイプを見つけるには、3つの軸から考えて、8つのタイプに分類できるそうです。その3つの軸がこちらです。
- 2つのマインドセット
- やる気のフォーカス
- 自信の有り・無し
このやる気の見つけ方は「コロンビア大学のモチベーションの科学 やる気が上がる8つのスイッチ」を要約したものです。
詳しく知りたい方はこちらの書籍をどうぞ!きっと人生の役に立つ1冊になると思いますよ。
2つのマインドセット「証明」と「成長」
マインドセットとは、物事を考える思考パターンや考え方のことです。
マインドセットには「証明マインドセット」と「成長マインドセット」の2つがあり、どちらかのマインドセットで私たちは考えています。
どちらのマインドセットを持っているのか?考えてみてください。
証明マインドセット
これらがよく当てはまる人は「証明マインドセット」になります。不安になりがちで頭の中に苦手・できないことがいつもあり、挑戦することを避ける傾向があります。
成長マインドセット
これらが当てはまる人は「成長マインドセット」になります。
成長マインドセットの特徴は、自分が成長することが重要だと考えます。
この2つのマインドセットは、言うまでもなく「成長マインドセット」を持つことが重要になってきます。
やる気のフォーカス「獲得」と「回避」
やる気が何に動機付けられるのか「獲得フォーカス」と「回避フォーカス」2つの考え方があります。
この2つの考えどちらが良いというのはなく、それぞれに強みと弱みがあり、伸ばすべきところと問題点がわかるようになります。
獲得フォーカスの特徴
回避フォーカスの特徴
自信の「有り」と「無し」
やる気を出したいことに対して自信を持っていた方が良いと何となくわかるはずです。
自信は目標を達成するのに必要な要素です。
ここで言う自信とは「おれは誰にも負けない」的な他人を圧倒するような自信ではなく「私はそれをやり遂げる力がある・私ならできる」と確信する自信のことをいいます。
社会心理学者のアルバート・バンデューラは、この自信を「自己効力感」と呼び、目標を達成するために必要な力を自分が持っていると信じているとき、自己効力感を持っていると言うことができます。
自己効力感の研究によると、自己効力感と成功の相関係数は0.34なのに対し、仕事に必要な技能テスト結果と仕事での成功は相関係数0.19しかなかったそうです。(低い方が関係性がない)
つまり、技能を持っていたとしても自信がなければ成功する可能性が低いことがわかり、自信を持っていれば成功する可能性が高いことがわかりました。
自己効力感は4つの要素から成り立っています。
1.成功する体験
2.他社の体験・経験を見て学ぶ
3.他社からの保証/助言・警告
4.その時の気分
この中で最も強力なのが①成功体験をすることで、3と4はさほど効果がありません。
自信で注意することは、現実をしっかり見ている人を自信がないと勘違いしないこと、問題を見据えて代替案を持つことは自己効力感が高いと言えます。
やる気から見た8つのタイプと改善方法
ここまで見てきた3つの軸で、あなたのやる気タイプがどれになるのか、それぞれの組み合わせで8つのタイプから調べることができます。
1.マインドセット「証明」「成功」
2.やる気フォーカス「獲得」「回避」
3.自信「あり」「なし」
8つのやる気タイプとそれぞれのやる気を改善する方法も一緒に紹介していきます。
やる気タイプ1:中二病
・証明マインドセット
・獲得フォーカス
・自信なし
やる気の改善方法
1.成長マインドセットを持つ
2.OJT(オンザジョブトレーニング)で自信をつける
3.獲得フォーカスを生かす環境を作る
やる気タイプ2:うざいやつ
・証明マインドセット
・獲得フォーカス
・自信あり
やる気の改善方法
1.成長マインドセットを持つ
2.獲得フォーカスを生かす環境を作る
やる気タイプ3:臆病者
・証明マインドセット
・回避フォーカス
・自信なし
やる気の改善方法
1.成長マインドセットを持つ
2.OJTで自信をつける
3.回避フォーカスを十分に生かす環境を作る
やる気タイプ4:退屈な人
・証明マインドセット
・回避フォーカス
・自信あり
やる気の改善方法
1.成長マインドセットを持つ
2.回避フォーカスを十分に生かす環境を作る
やる気タイプ5:やる気の空回り
・成長マインドセット
・獲得フォーカス
・自信なし
やる気の改善方法
1.OJTで自信をつける
2.獲得フォーカスを十分に生かす環境を作る
やる気タイプ6:まじめな見習い
・成長マインドセット
・回避フォーカス
・自信なし
やる気の改善方法
1.スキルを身につけ自信をつける
2.回避フォーカスを十分に生かす環境を作る
やる気タイプ7:新星
・成長マインドセット
・獲得フォーカス
・自信あり
やる気の改善方法
1.獲得フォーカスを十分に生かす環境を作る
やる気タイプ8:熟練の匠
・成長マインドセット
・回避フォーカス
・自信あり
やる気の改善方法
1.回避フォーカスを十分に生かす環境を作る
すべての人に共通するやる気の改善方法
すべての人に共通するやる気の改善方法は3つのステップがあります。
1.証明マインドセットを成長マインドセットに変える
2.必要なスキルをつけて自信にする
3.それぞれのフォーカスを生かせる環境を作る
成長マインドセットを持っている方は「2.必要なスキルと自信をつける」からどうぞ
証明マインドセットを成長マインドセットに変える
証明マインドセットを持っている人は、まず先に成長マインドセットに変える必要があります。
証明マインドセットの人は、いくらスキルや自信を磨こうとしても空回りしてしまい、不安感や拒絶されることへの恐れ、自分を守ろうとして築く壁が大きく学ぶ力を阻害してしまう可能性があります。
長年続いたマインドセットを変えることは簡単ではありませんが、次のことを実施していけば成長マインドセットに変わることができます。
1.物事を考えるとき「成長」を意識した言葉を使う
成長を意識した言葉に言い換えることで、成長マインドセットに近づくことができます。
・学び・改善・発展・成長・前進・将来的になど
例えば「私はよきリーダーになりたい」→「私はよきリーダーになるために必要なことを学びたい」と言い換える
2.if-thenプランニングをする
「こうなったらこれをする」とあらかじめ決めておくのが、if-thenプランニングです。
if-thenプランニングをすることで、成功確率が2倍~3倍にも上がることが研究からわかっています。
やり方とすれば「証明マインドセットな考え方をしたら、成長を意識した言葉に言い換えてみる」と決めておくなどです。
3.期待値を変える
能力があれば何でもすぐに上手くいくという考え方を捨てること
困難なことになっても、逃げたり手っ取り早く解決するのではなく、じっくり取り組むことが大切だと考えるようにする。
ミスをしてもそれでいいと思い、ときには人の手を借りる・助けを求めるようにする
4.他の人と比べない
他人と比べるのではなく、昨日の自分・先週の自分と比べるようにしましょう。
「他人と比べてしまったら、過去の自分と比べる」とif-thenプランニングを取り入れてみてください。
5.根気よく続けること
これらのことを根気よく続けることが大切になります。
先ずは、諦めず続けるということを大切にしていきましょう。
必要なスキルをつけて自信にする
必要なスキルをつけるには「獲得フォーカス・回避フォーカス」によってトレーニング方法が異なります。
獲得フォーカスの場合
獲得フォーカスの人は、OJT(オンザジョブトレーニング)を好みます。
いろんなことを実際に体験しながら成長していくのが合っていて、うまくできて成長していると頻繁に確認が取れると伸びる傾向にあります。
逆に物事が停滞してしまうとやる気が出なくなってしまいます。
回避フォーカスの場合
回避フォーカスの人は、十分な準備をしてから実際に取り組むことを好みます。
どんな内容なのか説明を聞く、取り組むことを事前に理解しておく、準備を入念にしてから取り組むといいでしょう。
取り掛かるまでに時間がかかるものの、取り掛かり始めればレベルの高い仕事をします。
自信をつける
やる気を出すための自信(自己効力感)は、自分自身の成功や失敗の体験によって培われています。
それぞれのフォーカスに合ったトレーニングをして、多くの成功を体験する、もしくは、成功と失敗をしっかり検討することで自信へとつながっていきます。
注意したいポイントが、成功や失敗の原因が「コントロール可能要因」で考える必要があります。
最近の成功体験や失敗を考えてみてください。
もし答えが「運がよかったから」「あの人のおかげ」など自分でコントロールできないことが理由でしたら「コントロール不能要因」となり、自信にはなりません。
失敗した体験もこの「コントロール不能要因」が原因だと自分ではコントロール出来ず、深く考えてしまうとやる気が出なくなってしまいます。
成功体験や失敗を考える際は「コントロール可能要因」で考え、伸ばすところを伸ばし、改善点も自分がコントロールできるところから探すようにしてみましょう。
それぞれのフォーカスを生かせる環境を作る
それぞれのフォーカスによって、力を発揮できる場所が異なるので、自分のフォーカスに合った環境を作る必要があります。
獲得フォーカスの場所
・よく褒めてポジティブで楽天的な環境を整える
困難に直面したら、過去の成功を思い出し、こんなことは大丈夫だと確信することでやる気が出てくるようになります。
・目標をハッキリと持つ
・アイデアを自由に出す
・長期のゴールは、小さなサブゴールを作りゴールをこなしている実感を得る
・決断するときプラス面を考える
回避フォーカスの場合
・建設的な批判と悲観主義でアプローチ
大げさで嘘くさい称賛を聞くとやる気がなくなるので、ネガティブなことでも力に変える
・何を得るかより何を避けるかハッキリさせる
・アイデアを分析し、評価する
・じっくりと仕事に取り組めるようにする
・具体的な指示を考える
・決断するときはマイナス面を考える
やる気が出るおすすめな本
やる気が出るおすすめな本が7冊あり、この本の知識を生かすことで、やる気が出てやり抜く力になり集中力をつけ取り組めるようになるおすすめな本ですので、紹介していきます。
やる気が上がる8つのスイッチ コロンビア大学のモチベーションの科学
今回、やる気を出す見つけ方で紹介した内容がこの本になります。
この記事を読んでいて共感する部分が少しでもありましたら、読んでみる価値が大いにあります。
詳しくやる気について知りたい方におすすめな一冊です。
やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学
上記のやる気が上がる8つのスイッチとセットで読みたい本です。
やる気を出し、やり抜くための知識が詰まっています。
成功者と呼ばれる人たちには、共通する思考や行動パターンがあり「才能が成功に導いた」のではなく、思考や行動によって成功に至った。つまり「やり抜く力をつけよ」これが成功への導きとなってくれます。
GRIT やり抜く力-アンジェラ・ダックワース
やり抜く力グリット研究の第一人者であるアンジェラ・ダックワース氏が書いた、誰もが傑出した人材になれる方法=やり抜く力という究極の能力を身につける方法を学ぶことができる一冊です。
モチベーション3.0 -ダニエル・ピンク
いかに持続する「やる気」を引き出すか、モチベーションについて世界的ロングベストセラーになったダニエル・ピンク氏の一冊です。
お金を目的にしているとやる気がなくなるという面白い研究も交えながら、時代に合ったやる気・モチベーションについて解説・改善方法が様々な角度から紹介されている一冊になります。
ここまで紹介した本を読めば、やる気を出し、持続したモチベーションでやり抜く力を発揮することで、成功への道に迷わず進めることができるかもしれません。少なくとも僕は、この4冊で変わることができました。
自分を操る 超集中力 -メンタリストDaiGo
メンタリストDaiGoさんの著書「自分を操る 超集中力」これを読めば、集中力の正体が何なのか?集中力を高める方法・集中力を節約する方法など網羅的に学ぶことができる一冊になっています。
集中力を身につければ、やる気×やり抜く力×モチベーション×集中力=最高の作業効率を出すことができるでしょう。
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 -八木 仁平
自分は何がしたいのか?やりたいことが見つからない・ないって人におすすめの一冊になっています。
ただやりたいことを見つけるのではなく、上記で紹介したやる気・やり抜く力とも関係する項目があり、本当にやりたいことが見つかり、心からそのことを極めたいと思えることが見つかります。
マインドセット「やればできる!」の研究 -キャロル・S・ドゥエック
やる気を出すには、成長マインドセットであることが重要と紹介した通り、マインドセットがとても重要な要素の一つであることが、この本を読めばわかるでしょう。
キャロル・S・ドゥエック氏のこの本は、世界的ベストセラーであり、スタンフォード大学で20年以上の膨大な調査から生まれた「成功心理学」の名著と言われるほど高評価な一冊になっています。
以上、やる気に関する情報を紹介しました。是非おすすめの本を手に取ってみてください。
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